2015年11月4日水曜日

ウイングマンマスク 3Dプリンターで出力

とんでもなく更新が開いてしまいました…^^;
その反動で長文です、あしからず…

今回は3Dプリンターで出力した「ウイングマン」1/1マスクの紹介です。
知人からハロウィン用にと依頼されまして、作成しました。

10月初旬に依頼されたので、ほとんど突貫工事ですww
(数か月前から話しはしていたのですが…イロイロと…切羽詰まらないとやれない性分で…)

制作期間は一か月弱しかありません…

っていうか、3Dプリンターも一緒に発注したので、もう一か八かっていう感じです。
印刷ソフトの習得・機種毎の癖の把握もこれからだったので…無茶ですね^^;
いつもこんな感じです。

●まずはデータ作成

今回は3Dスキャナーで依頼者の頭部をスキャン
(スキャナーは知り合いが持っていた「Sense 3D Scanner」を借用し取ってもらいました

で、3Dソフトにデータを取り込み、その上にマスクを作成します。

 中に依頼者のデータがありますね…これはCGですので、まだブツはありません


データはRhinocerosなどで正面・側面・平面、1/6フィギュアなどを参考に作成し、
STL形式でデータを吐き出します。
このモデルは2mm厚の設定としました。

今回はオープンキューブ社の「SCOOVO X9」という国産の3Dプリンターを使用しました。
この機種の造形範囲は230×200×170mm (高さ×幅×奥行き)とこのクラスにしては
大き目ですが、このシェルを作るのに8分割しなければならず、
Rhinocerosで分割しパーツごとのSTL形式データを作成していきました。

●Gコード作成
↓標準添付プリント制御ソフト「SCOOVO Studio」






























STLデータを読み込んで、Gコード作成。

ここで驚愕の事実が判明…積層には時間がかかるとは思っていましたが、
これだけの大きさのもの(シェルの1/8)でなんと10時間超…
積層ピッチが一番荒い0.3mmでこの時間です(;゚д゚)

ヤバい、これは間に合わんかも…
ひたすら、出し続けなければ…

と、SCOOVO Studioの操作方法をやっつけで覚え、出力しようとしましたが、うまくいきません…

今回はフィラメントにPLAを使用しましたが、そのフィラメントがうまく排出されないのです。
悪戦苦闘すること丸2日(週末だった為、サポートにも繫がらず…時間ばかりが過ぎていき)
やっと週明けにサポートからメールが…
なんてことはない、プリンター裏側の↓の白いPTFEチューブがしっかり差し込まれてないだけでした…
だからPTFEチューブが浮き上がったのか…



























不調の原因が分かり、調整もそこそこ出来たので、ここからは出しまくりですww
PLAの設定温度を225°、ベッド温度を80°としました。←60°でも良いと言ってる方もいます。
(デフォルトの設定ですと、2層目から温度設定が強制的に変わってしまうので、設定ファイルの中身を書き換えた方が良いと思います)

↓ポリゴンが荒く、折れたようになってます…分割数間違えました^^;





































造形物の周りのサポートが曲者でして、簡単に除去できるところもあるのですが、
取れないところはヤスリ?こんなん→タジマ アラカンスタンダード AK-STDH
で削っていきます…しかし、一筋縄ではいきません。

スライサーなどを他のモノを使ってみるなど、解決方法があるのかもしれませんが、
試している時間はないので、このまま出し続けます。










































作業に夢中で写真あまり撮ってませんww





































シェルは8分割
トサカ・角(スパイラルカット)の部分は7分割
顎・シールドの部分で3分割
計18パーツの構成です。

それらのパーツを結合していきます。
接着はアクリサンデーなどのアクリル系接着剤でがっちりと接着できました。
しかし、積層の誤差がやはり出ました。酷い箇所だと3mm以上…設定板厚超えとるやん…ーー;

で、パテを塗りつけて積層痕を消していくわけですが、
このフィラメントPLAはどーも硬い…

このプリンターはABSでもプリントできるそうですが、大きいものの時はPLAの方が向いてると、
どこかで見たのですが…しかし、硬い
パテとPLAのつなぎ目がどーしても硬さの違いで段差が出てしまします。
シェル全部をパテで覆わないといけないくらいです…

しかし、サポート跡と積層痕をヤスリで削り・ポリパテを盛りまくり、完璧には程遠いですが
どーにかこうにかなんとなく消しました…なんとなくですよ…


↑しれっと登場してますが、最初から懸案事項として自分の中でくすぶっていたのが、
「スモークシールド!!」
これをどのように加工するのかと…
まあ、プラモデルを多少嗜んだ者としては、真っ先に思い浮かぶのが、

「バキュームフォーム」

確かそいつで、戦闘機のキャノピーを作ったはず…
で、その当時の工具があると思っていたのですが、見当たらず
結局、バキュームフォーム装置から作る羽目に…

で、作成したのがコレ↓






















型は硬質発砲ウレタンで作成しました。
木で作るのが本来のやり方だと思いますが…加工時間がなかったので^^;
こいつで硬質塩ビの1mm厚の板を引っ張ろうと…



























この型の高さが思ったより高く、嫌な予感はしましたが…
掃除機をセットして、電熱器で塩ビ温めてイザっ!

が、全然板が伸びず…あえなく失敗…そらあ、こんなには伸びんわーー;
↓の様なモノを2枚ほど作ってしまい…




























作戦変更…工業用のドライイヤー、所謂ヒートガンで少しずつ型に押し付けていきました。
最初からこうすれば良かった…

で、いくつかの難関を乗り越えて一応、完成したのが↓






















































































で、一つ疑問に思ったのが、この↓後頭部のマーク…
画像検索を掛けるといろんな形が出てきて…
しかし、時間はなし…これかなって形をイラストレーターで起こして、カッティングマシンで即席デカールを作成しました。































この塗装が出来上がったのが、10/31の14:00頃
このあと腰部のバックル(青・黄・赤のボタンが付いた)を仕上げ
どーにか間に合わせました。
なので、クリアーなどはしてません…
ってか、このボッコボコの面を強調するだけなので^^;

このマスクの特徴としては、他の制作された方達のモノとは違い、
前後2分割ではなく、スパイラルカット部・シェル部・シールド/顎部の
3部品構成になってるところだと思います。
装着には時間がかかってしまいますが…






























こうすることによって、余分な分割線を減らせますし、家庭用3Dプリンターの精度の
低さはある程度カバーできます。

今回の反省点としては…

・事前にミニチュア版を出力し、チェックすれば良かった…立体物での形状確認
・大きさの把握が十分ではなかった…ちょっと大きいか^^;
・材質はABSでも良かったのかも(加工のし易さ)
・スケジュール管理の甘さ…まあ、←全てコレに尽きる^^;

しかし、こんな出来でしたが、今回は依頼者に喜んでもらい助かりました。

まあ、とりあえずは完成できたので、この後は時間があるときに修正していこうかと思います。

では、最後に一応自分が装着した姿を…
チェイング!!









































長くなってしまいましたが…ではでは。